セサミ読書日記

本の紹介など

ミツバチと虫クンとダーウィンとカンデルと:後半

動物は交尾の相手や食べ物を見つけたり、森や海、空を移動するルートを知る必要もある。こうした作業には問題解決能力が必要だと、ダーウィンは主張した。

人間相手の認知心理学者は自分たちの定義にこだわるあまり、動物の認知能力研究のすばらしい成果を見過ごしている。

動物の認知能力の研究を見ていると、おのずと謙虚になる。創造したり計画したりするのは人間だけに与えられた能力ではないのだ。

(『動物の知力』in 「ナショナル・ジオグラフィック日本版2008年3月号」)

 

前回の続きです。

森山徹著『ダンゴムシに心はあるのか』という本を紹介しました。この本では『心』に関する説明はされていますが、『心』に関する定義はきちんとなされていません。

それは有る意味当然で、現代科学ではまだ、『心』がどのような仕組みになっているのか、解明されていないからです。

『心』というよりも『自我』とか『個性』と表現したほうが、しっくりくるのではと私は思いました。人間だけでなく、他の動物や昆虫なども、本能のみで行動するのではなく、これまでの経験を踏まえて環境に応じて試行錯誤しながら考えて行動するのであり、従ってその行動様式は個々人(個々動物、個々虫)で異なってくる。自ら考える『自我』を持ち、独自の考え方によって独自の行動を取るという『個性』が現れる、そのようなことではないかと私は考えました。

 

2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞した神経学者のエリック・カンデルは、1960年代に、巨大なアメフラシを使って記憶と学習の研究を始めたそうです。その際、同僚から、記憶の研究を行うのにアメフラシのような下等生物を用いることに疑念を抱かれたそうです。しかし、

「私は生物学者の考え方をするようになりつつあった」と、アメフラシの研究をしようという決断を回想して、カンデルは書いている。「あらゆる動物に、自分の神経系の構成を反映するなんらかの精神生活があることを、私は認識していた」

オリヴァー・サックス著『意識の川をゆく』より)

 

全ての動物の神経細胞の構造は共通であり、発生が進むにつれて神経細胞によって作られる構造が複雑化していきます。神経細胞が集中して様々な情報処理を行う場所を脳と呼びます。したがって、進化に伴い、脳の機能やそれに伴う判断能力も進化してきたのであり、その高度なものを『精神生活』と呼ぶのであれば、進化の初期段階の生物にも原始的な『精神生活』があり、進化するにしたがって『精神生活』も高度に複雑化していったと考えられます。つまり、精神生活は人間のみが有するものではないと考えられるのです。

動物は『動く』ので、脳が発達していったと考えられてます。それを示す面白い例があるので、少し長いのですが、引用します。

 

体を動かすことは、おそらく、学問的、社会的、情動的な大量の知性を支える基盤になっている。(中略)

ニューヨーク大学の神経学者ロドルフォ・リスナは、脳が発達したのは、生物が物にぶつからずに動きまわるのに脳の手助けが必要だったからだと述べ、脳をもつとはどういうことかを考える究極の例にホヤをあげている。ホヤは原始的な生物で、およそ三百の脳細胞をもち、最初はオタマジャクシに似た姿をしているが、最後はカブのような形になってしまう。生まれ出た最初の日は泳ぎまわり、やがて定住する場所を見つけて取りつくと、死ぬまで二度と移動しない。

話はここからおもしろくなる。ホヤは泳いでいるあいだは原始的な神経システムをもっているが、ひとたび何かに取りつくと、自分の脳を食べてしまう。しっぽも食べる。つまり、オタマジャクシのような生物としてオタマジャクシのような脳をもって生まれ、それからカキの仲間のような生物に姿を変える。もう二度と移動することはないのだから、脳は必要ない。

リスナ博士の説によると、私たちは脳があるから移動できる。移動しないのなら、脳は必要ないので脳をもたなくなる。

(テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン著『動物感覚』より)

 

 ホヤというのは原索生物で、進化上では脊椎動物(魚類・両生類・爬虫類・鳥類・哺乳類)の直前に位置します。私は発生の初期段階でオタマジャクシのような形をしているということは知っていたのですが、まさか成体になる前に脳が消滅してしまうとは知りませんでした。世の中には色々な生き物がいるのですね。

 

では、動物の精神生活はどのようなものなのか。それに関して、テンプル・グランディン氏が非常に面白い本を出しているのです。

グランディン氏は、ウィキペディアには、

テンプル・グランディン(Temple Grandin, 1947年8月29日-)は、ボストン生まれ、 アメリカ合衆国の動物学者、非虐待的な家畜施設の設計者。コロラド州立大学教授。女性。自閉症を抱えながら社会的な成功を収めた人物として知られている。

と書かれています。

次回、グランディン氏と『動物感覚』などについて書いていきたいと思います。

この本は、私が最も感銘を受けた本の一つであります。私は本を読むときに、気になった箇所に鉛筆で線を引くのですが、線だらけです。引用したいとこ、ありすぎ。どうしよう・・・。

 

動物感覚 アニマル・マインドを読み解く

動物感覚 アニマル・マインドを読み解く

 

 アマゾンの書評に目を通してみてください。他に類をみない名著であることが、おわかりいただけると思います。うまくまとめられる自信がないけど、やるだけやってみます。では次回。

土偶は宇宙人? ではなかった

ここ1週間ほど、土偶がマイブームです。

これまでの研究では、土偶には動物をかたどった動物土偶と人間をかたどった人間土偶の2種に分けられるそうです。人間土偶には、ハート型とかスキーのゴーグルみたいのをつけた遮光器土偶とか色々とあるらしく、遮光器土偶は絶対宇宙人だよなと思っていたのですが、先日、新説を発表する講演を聴いて、どうやら違うらしいとわかりました。


遮光器土偶

土偶なんて全然興味なかったのだけど、以前のブログで紹介した『輪廻転生』の著者竹倉史人氏が土偶の講演会を行うというので、もしかしたら愛猫に会うための何らかのヒントを得られるかもしれないと思い、意を決して(?)行ってきました。

残念ながらヒントは得られなかったのですが(※土偶に関する講演なので、まぁ当然なのですが・・・)、しかし、土偶の新説がめちゃくちゃ面白かったのです。講演会の後半が11月24日にあるので、それまでに、まだ講演会で話してない土偶の正体を突き止めようと、写真を見ながら色々と考えてます。探偵になった気分。

多分、遮光器土偶はダ○ズなどのマ○類、これは自信ある! 中空土偶はハ○○リかア○リ、みみずく土偶や動物形土製品はホ○かなぁ、よくわからないなぁ・・・。後半の講演会を聴いたら、結果をお教えします。

実はここ数日、色々とイヤなことがありまして、まぁ済んだから良かったけど、寝る前に思い出すとむかついてしまって。そんなとき、土偶に関する推測をあれこれと巡らせていると、イヤなことを全く忘れて夢中になれるのでした。良かったです。それにしても、土偶、面白い。                       

ミツバチと虫クンとダーウィンとカンデルと:前半

ダーウィンにとって、反応を調整できる能力は、「なんらかの精神の存在」を示唆していた。(中略)

「もしミミズが・・・穴の口の近くにある物体を引き寄せ、どうすればそれをいちばんうまく引きづり込めるか判断できるなら、全体の形のイメージをつかんでいるはずだ」

「そのときミミズは、同じような状況下の人間とほぼおなじやり方で行動するのだから、知能があると呼ぶに値する」

オリヴァー・サックス著『意識の川をゆく:脳神経科医が探る「心」の起源』より)

植物もミミズも、精神生活というほどのものを持つはずはない。それが大方の常識だが、「意識」という主題を真面目に考えると、簡単にそうは言えないことに気づくはずである。森山徹『ダンゴムシに心はあるのか』をお読みになったことがあるだろうか。意識の起源に関しては、生命の始まりから、すでにその萌芽があるのではないかとする、哲学的な立場もあるくらいである。

養老孟司、『意識の川をゆく』の解説より)

ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学 (PHPサイエンス・ワールド新書)

ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学 (PHPサイエンス・ワールド新書)

 

セサミには『虫クン』という生徒さんがいます。虫に非常に詳しいので、『さかなクン』に真似て『虫クン』というニックネームが付けられました。

どれくらい詳しいのかといいますと、一例を挙げると、青梅埠頭でヒアリが見つかったというニュースについて聞いてみると、

「日本の○○○(※虫の名前だけど忘れた)は強いからヒアリを退治してくれるので大丈夫だと思いますよ」

と、ニュースで見たことも聞いたこともない専門知識で答えてくれるし、「昨日枯葉みたいな変な蛾みたいのが入ってきたんだよ」と言うと、

「ああ、◇◇◇(※虫の名前だけど忘れた)ですね。線路沿いに△△(※植物の名前だけど忘れた)が生えていて、その葉を食べているから、ここに迷い込んだんじゃないですか」
と、即座に答えてくれるのです。その他諸々とにかくすごい。

という訳で、今回は環境問題ではなくて虫の話になりますすみませんどうしても書きたいの。

ミツバチの天敵でオオスズメバチというハチがいます。ウィキペディアによると、オオスズメバチは「日本に生息するハチ類の中で最も協力な毒を持ち、かつ攻撃性も高い非常に危険な種」だそうです。ミツバチの体重は100mg以下、一方オオスズメバチの体重は3000mg以上と、体重にして30倍以上です。ミツバチを体重50kgの人間とすると、オオスズメバチは体重1500kgの人間に匹敵するのです。こわいっす。ミツバチの針でオオスズメバチを刺しても、針が小さくて弱いため、オオスズメバチを刺すことすらできません。

オオスズメバチがミツバチの巣を見つけると中に進入し、フェロモンで仲間を呼び寄せます。フェロモンというのは昆虫類が仲間に情報伝達をするときに用いる化学物質です。人間は専ら言葉で情報伝達をしますが、昆虫類はもっぱら、言葉ではなくて化学物質で情報伝達します。

フェロモンが他のオオスズメバチに届き、数十匹のオオスズメバチが巣に進入すれば、巣にいる何万匹のミツバチは絶滅してしまいます。

そこで、ミツバチたちは、下の動画にあるように、体温を上げてオオスズメバチを取り囲みます。オオスズメバチは温度が約45度を超えると死んでしまうそうですが、ミツバチは50度まで耐えることができます。そこで、大勢でオオスズメバチを取り囲み、体温を48度まで上げて、オオスズメバチを殺すそうです。この方法を『熱殺蜂球』と呼ぶそうです。


オオスズメバチ vs ニホンミツバチ Giant Hornet vs Japanese honeybee


スズメバチを撃退するニホンミツバチ

先日夜中に、eテレの『ヘウレーカ』という番組で、ミツバチの『熱殺蜂球』をやっていました。研究者が、オオスズメバチの体に針金を巻き付け(その針金の端は研究者が持っています)、オオスズメバチをミツバチの巣の中に入れて、熱殺蜂球を作らせていました。又吉氏の手の上に熱殺蜂球をそっと乗せて高温を体感させていました。

これちょっとかわいそうなのは、体に針金を巻きつけられたオオスズメバチはもちろん、最初に突撃していくミツバチたち数十匹も死んでしまうのです。(ちなみに上記の映像はどちらも、ヘウレーカのではないです、一応参考までに)

 

テレビを見た翌日、たまたま虫クンが授業に来ていたので、見た内容を告げると、虫クンは怒っていました。

なんでわざわざ実験をして、不必要に蜂たちを殺すのですか。自然界の映像を見せれば十分じゃないですか、それで十分に伝わるじゃないですか。わざわざ殺すことないじゃないですか。

と。しかも実験に使われていたのは、希少なニホンミツバチであったこともあり、虫クンは怒っていました。でもまぁハチだし、と私が言うと、虫クンはこう言いました。

じゃあ先生は、実験という名目で、飢えた肉食獣やカラスがいる中に、子○コを入れてもいいと思いますか。同じことじゃないですか。

ぎゃーーー、だめーーー、やめてニャーーー、すみません私がまちがっていましたごめんなさいごめんなさい、だから絶対にそんな実験しないで~~~!

 

研究者には、動物や虫が本当に本当に好きな場合と、動物や虫を単なる研究対象と捉えている場合の、2種類があるように思います。熱殺蜂球の研究者は後者なのだと思いました。前者だったら、虫クンのように考えて行動するのではないでしょうか。

虫クンは虫が大好きですが、あまり擬人化をしたり、意図的に虫の感情を読み取ったりすることはありません。

虫って何考えてるの?感情あるの?と私はよく質問するのですが、いや~、怒りの感情はあるけれどあまり感情とかないんじゃないですか、といつも答えます。

しかし、そんな冷静な虫クンが、ふとこんなことを言っていました。

ミツバチは仲間が死ぬと、巣の周りでしばらく茫然としているんです。僕見たことがあります。仲間が死んでしまったことがわかっているんじゃないかなって思うんですよ。

そのセリフを聞いて、私は色々と考え込んでしまいました。

ミツバチの熱殺蜂球については、その行動をもたらす脳の部位や遺伝子に関する研究は行われています。

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/5794/

しかし私は一方で、前回紹介したオリバー・サックスの著書に書いてあったようなことも、考えてしまうのです。

昆虫には最高100万個の神経細胞がある。そのすべてがひとつの脳に集中している昆虫は、サイズはとても小さいが、並外れた認知的妙技をやってのけられる。だからミツバチは、実験室で異なる色、におい、幾何学図形と、さらにその体系的変化を識別する名人なのだ。そしてもちろん、野原や庭では超一流の専門技能を発揮し、花の模様、におい、色を識別するだけでなく、その場所を記憶して、仲間のハチに伝えることもできる。

さらに、高度に社会的な種であるアシナガバチでは、個体がほかのハチの顔を覚えて識別できることも示されている。(中略)

私たちは昆虫をしばしば、とても小さなオートマタ(※及川注:生命を単なる機械のようなものと捉えること)――すべてが組み込まれてプログラムされているロボットーーと考える。しかし、昆虫は記憶、学習、思考、コミュニケーションをじつにさまざまな予想外の方法で行えることが、次第に明らかになっている。その多くはたしかに組み込み済みのものだが、個々の経験に左右されるように思えるものも多い。

オリヴァー・サックス著『意識の川をゆく』より)

意識の川をゆく: 脳神経科医が探る「心」の起源

意識の川をゆく: 脳神経科医が探る「心」の起源

 

人間以外の生物、動物や昆虫などに、精神的なものの存在を認めようと考えることは、現代社会ではオカルティックで怪しいものと思われてしまう傾向が強いように思います。しかし、進化論の観点から考えると、人間は動物の延長線上にあるにすぎず、神経細胞の構造は昆虫も動物も人も同一であるし、人間や他の哺乳類の脳の構造は非常に類似していることを考えると、人間だけを特別な存在として考えることの方が非科学的であると私は考えています。

自然の中において人間だけを特別と考えるのは、西洋のキリスト教的な世界観に基づくものであり、それが現代科学をある種歪めてしまっている側面もあるように思うのです。人間を特別な存在と考えることが、他の動物や昆虫などを単なる研究対象、実験材料、感情を持たず本能や反射のみで生きているものとして扱うこと、と繋がるように思うのです。

こういった事柄に関し、進化論で有名なチャールズ・ダーウィンや、2000年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリック・カンデル氏や、前回紹介した『火星の人類学者』に出てくる動物学者テンプル・グランディン氏の著書について書いてまとめたいと思っていたのですが、長すぎたので、次回(※本当に次回)後半を書きます。

 

このブログで最初に書いた植物のことも、この前の環境のことも、今回のこともてんでバラバラのことが全部中途半端なままになっていてすみません。実はこれらの事柄は、私の中では一つに繋がっているのです。しかしそれらを系統立ててきちんとした形で書くことができるほどの知識や思考が、私にはまだ備わっていなくて、書きながら考えならば本を読みながら調べながら、少しずつ少しずつ形にしていければと思います。

ごちゃごちゃしててごめんなさい。

次回は虫の話の続き、その次は環境問題について書いていき、植物についての知識や考えがある程度まとまったら、その続きを書いていきます。

火星の人類学者

この前の土曜日、台風が上陸していたため、一日中家の中にいました。全く外に出れないというのは、つまらないなぁと思っていたら、この台風のおかげで面白いものに出会えました。

テレビで全国高等学校演劇大会の最優秀作品を上映していました(※世間と乖離しかけたので、最近たまにテレビを見るようになりました)。最初は観る気はなくて、作業をしながらなんとなくかけていたのですが、面白くて結局全部観てしまいました。

逗子開成高校演劇部のオリジナルで、ゾンビを題材とした『ケチャップ・オブ・ザ・デッド』という作品です。

映画を撮影していた大学生が、首吊り自殺をしたゾンビ(幽霊?人間?)に出会うという内容です。生きている意味が見いだせなくて自殺してしまった高校生(※多分)がゾンビになってしまうという内容は、普通に考えたらとても暗くて切ないのですが、それをコメディタッチにすごっく面白い内容に仕上げていました。登場人物のキャラも魅力的です。ゾンビの動きは『ゾンビランド』という映画を見て研究し、改良していったそうです。


映画『ゾンビランド』予告編

『ケチャップ・オブ・ザ・デッド』は『弱者への視線』をテーマとし、「弱者として都合のいいように使われてしまう人間への視線というものを含みをもたせてやってみた」そうです。テーマは真面目でシビアな事柄ですが、あえてコミカルに笑わせながら伝えることで、受けて側を笑わせつつも、同時に、様々な側面を深く考えさせてしまうように思いました。伝え方の絶妙さが本当に本当に上手いのです。

 

そんなことを考えていたら、ニューヨークの国連本部で開催された「気候行動サミット」でのグレタ・トゥンベリさんの演説を思い出してしまいました。彼女の演説の内容自体に関しては、あと2、3回くらいに渡って書いていきたいのですが、問題なのは彼女の伝え方なのです。

9月24日のAFP通信によると、

「私たちは大絶滅の始まりにいる。それなのに、あなた方が話すことと言えば、お金や永続的な経済成長というおとぎ話ばかりだ。よくもそんなことを!」と怒りをあらわにした。

とのことです。ニュースなど映像で目にした方もいるかもしれませんが、私はこれを見て、あちゃ~~と思いました。誰か彼女に、上手な伝え方を教えてあげればよかったのに、これでは台無しだぁ・・・と非常に残念に思いました。

おそらくグレタさんは、環境に関する深い知識を有し、長年頑張って行動してきたからこそ、このような感情的な態度になってしまったのではと推測するのですが、正直これでは逆効果ではと思いました。ものすごく残念です。これだと、彼女が訴えようとする内容に、耳を傾けまいとする人々が増えてしまうと思ったからです。

しかし、それよりもはるかに私が残念に思ったことは、日本の環境大臣小泉進次郎氏がサミット開催時のニューヨークで「毎日でもステーキを食べたい」との発言です。

小泉氏が個人的にステーキが好きなのは全く構わない(※というかどうでもいい)ことですが、気候行動サミットにおいてこのような発言がどのような意味を持つのか、海外やニューヨークの人々にどのように受け取られるのか、次回に書いていきたいと思います。

 

で、今回の本の紹介なのですが、上記の事柄とは直接的には全く関係ないのですが、風が吹けば桶屋が儲かる的な感じで繋がっていきます。

オリバー・サックス著『火星の人類学者:脳神経科医と7人の奇妙な患者』です。二十年以上前ですが、私が予備校の生徒さんにサックス氏の『妻を帽子と間違えた男』をすすめたらところ、一人の生徒さんが「私は『火星の人類学者』を読んだことがあります。すっごく感動したので、よかったら読んでください」と言ってきてくれました。そしてこの本は、私が最も好きな本の1冊となっています。本の帯にはこのように書かれています。

「脳障害がもたらす創造的な力。常識をくつがえす患者たちの驚くべき世界を報告し、全米ベストセラーとなった。医学エッセイの最高傑作」

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)

 
妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

オリバー・サックス氏の著書はどれもおすすめです。大人びた小学生ならば読めますが、ちょっと難しいと感じた場合は、『レナードの朝』という、サックス氏がモデルとなっている映画を代わりにおすすめします。


レナードの朝 - 予告編

 

宇宙をぼくの手の上に

このところ、アメリカのドラマ『エレメンタリーホームズ&ワトソン』というドラマのDVDを観るのが楽しみになっています。

最近、名探偵シャーロック・ホームズをアレンジしたドラマが色々と出ているみたいで、イギリスのBBCでも、現代のロンドンを舞台にした『シャーロック』というドラマを放映しています。これはまだ観たことないのですが、評判は高いようです。

これらを真似て、日本でも『シャーロック』というドラマが放映されたようで、ユーチューブでちょっと見たのですが、・・・な内容でした。アメリカ版かイギリス版をおすすめします。

私がはまっている『エレメンタリーホームズ&ワトソン』は、ニューヨークが舞台で、ドラッグ中毒から立ち直った天才の変人イギリス人がホームズで、もと外科医で中国系アメリカ人の女性がワトソン、という設定になっています。

ホームズ役のジョニー・リー・ミラーの演技が、ものすごくうまくて、鳥肌ものです。ホームズ役のルーシー・リューの抑え目の演技も、またいいのであります。

私はまだシーズン2までしか観ていませんが、シーズン7まであるみたいで、この先が楽しみです!


『エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY シーズン6』2019年7月3日リリース

ホームズという変人のキャラをどう捕らえるか、人によって好みが分かれるとは思うのですが、私はこの人を見るとすごく安心するのです。空気を読んだり気遣いをしたりするのはとっても下手なのですが、正直でストレートで、わかりやすい。裏表がないので、見ていてすっごく安心するのです。

 

という訳で、今回はミステリーを紹介しようと思ったのですが、なかなかこれぞというものがなくて、またもやSFをお勧めすることになりました。

 

誰がいいか散々悩んだ末、フレドリック・ブラウンという作家の本を紹介しようと思います。昔、『発狂した宇宙』というSFを読んですごく面白かったので、先日アマゾンで、『さあ、気ちがいになりなさい』という短編集を買いました。翻訳はあの星新一氏です! ちょっと大人向けですが、面白くてうまい短編です。好みによって、好きな人とそうでない人に分かれるかもしれません。とはいえ、小中学生にこのタイトルをおすすめするには、ちょっと気が引けるのでどうしよう・・・

とまたもや悩んでいたところ、ノーベル物理学賞のニュースを目にしました。宇宙誕生時のビッグバンの名残である「宇宙背景放射」の存在を予言したピーブルズ氏と、太陽系惑星を発見したマイヨール氏&ケロー氏に送られたとのことで、じゃあ、この本!と決定しました。

それが、『宇宙をぼくの手の上に』です。うん、これだったら、タイムリーだし、小中学生に勧めても怒られないし。

今から約70年も前の1951年に発表された本ですが、フレドリック・ブラウンのものすごい発想に触れて、是非とも刺激を受けてください!

 

宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)

宇宙をぼくの手の上に (創元推理文庫 605-5)

 

 

近況報告:1

全然ブログが書けずにすみません。

今、本をじっくり読みこんで、それを身近な出来事とからめてまとめて論を発展して書く、という作業が全くできない状況です、多分あと半年ちょいくらい・・・

そこで、代わりに近況報告を書くことにしました。

 

・プログラミング(Python)の本

レイアウト等に時間がかかり、多分11月には(※少なくとも今年中には)やっとこさ発売にこぎつけそうです!

本を1冊仕上げるのがこんなにも大変なことなのかとしみじみ思いつつも、とてもよい本です。

小学生でもPythonが学べる、しかも、よくある単なる写経本ではなくて、課題からプログラムを考えて作る形式にもなっていて、これまでになかった本であると自負しています。

来年度から小学生のプログラミング教育が必須となり、小学生のプログラミング熱が高まりつつあります。しかし多くのプログラミング教室では、日本語表記のブロックを組み合わせるスクラッチや、ロボットプログラミングなどが主流で、英語に似たコードをきちんと打ってプログラミングを行う、ということはほとんど取り入れられていないように見受けられます。

これから出そうとしている本は、そのような潮流を変え、小学生から本格的なプログラミングに向き合わせる(それも楽しくできる!)と思ったもらえるようなきっかけになるのではと、期待しています。

すっごくステキな表紙と、かわいくて魅力的なキャラが活躍する本なので、どうか、もうしばらくお待ちください、お願いします。

 

・共通テスト予想問題作成

現時点では詳しいことが書けないのでありますが、来年度から導入される大学入試共通テストの数学の予想問題数十問とその解説をこれから作成します(現在作成中)。果たして期限どおりにできるのか、頑張ります!

今は数学Aの図形問題を作成中なのですが、これはとっても楽しいです。

セサミで数学オリンピックやジュニア数学オリンピックのときに使った問題の類似問題を、すっご~~く簡単な形に落とし込んで、しかもちょっとしたひねりを加えて問題を作成しています。

以前苦しんで解いていた問題が、こんなところで役に立つとは思いもしませんでした。

久しぶりに初等幾何の問題を色々と目にして思ったのですが、このような問題は、将来設計や工学やその他色々な分野で活躍する生徒さんたちにとって、間接的あるいは潜在的にとても役立つのではと思いました。

新たなものを作ったり、開発したり、アレンジしたり、そんなときに、もしかしたらこれらの問題がヒントになるかもしれない、いやヒントにならなくとも、考えるための大きな基盤となるのでは、と思いました。

数学は暗記だ、とか、パターンで覚えろ、とかいう人たちもいますが、頭を使って考えて悩んで苦しんで考えて、やっと解けたときのうれしい!!!感じを実感することが、大切なのではないかとしみじみ思いました。それが入試のみならず、将来皆さんが活躍する様々な場面できっと役に立つことと思います。

 

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・プログラミングに役立つ数学とC言語の学習

これもまた現時点では詳しく書けないのですが、来年度に備えて、プログラミングに用いる数学と、C言語を地道に学習していくこととなりました。

 

という訳で、本当は植物とか動物の本と書きたかったのですが、今上記の事柄でいっぱいいっぱいです。これらの本には興味のない人たちがほとんどかもしれないし・・・と思い、そこで、小学生~高校生の生徒さんたちへのおすすめ本を毎回書いていくことにしました。これなら準備なしで書けるから。

 

・今週のおすすめ本

最近セサミの一部の生徒さんたちの間でブームになっているのが、星新一です。私も小学6年から中学1年にかけて、どっぷりとはまって読みました。目次を開いたときに、ショートショートのタイトルがたくさん並んでいるのを見て、とってもうれしかったことを覚えています。今セサミに5~6冊くらい用意してあります。今ならキャッシュレスで5%還元で変えるから、これから徐々に増やしていきますね。

どれか1冊といわれれば、個人的には『午後の恐竜』が好きです。

 

午後の恐竜 (新潮文庫)

午後の恐竜 (新潮文庫)