遺伝子組み換え大豆と30%の人々
バビロンとは、『紀元前18~6世紀の古代メソポタミア地域における主要な王国』だったそうです。繁栄をきわめ、このバビロンで金融という金銭のしくみが生まれたそうです。
バビロンの人々の金融の原理、富を増やす原理は現代にも当てはまるとのことで、それを詳しく書いた本が、ジョージ・サミュエル・クレイソン著『バビロン大富豪の教え』です。
その漫画本のさらに要約本がキンドルで無料で読めたので、読みました。まぁ、それなりに面白かったです。
そこでは『黄金に愛される七つ道具』が紹介されていて、その1つが
「収入の十分の一を貯金せよ」
というものです。
それにヒントを得て、私は印税の一部を浪費することにしました。え、それ、ダメじゃん・・・いやいや、有益な使い道になると考えています、多分。
それを賞金にして、今年の8月から『セサミ・チャレンジ』を開催しようと思ったのです(※失敗したら、すぐに止めるので、その際はごめんなさい)。
なんでわざわざそんなことをするのか、理由はいくつかあるのですが、それはさておき、チャレンジの内容をどうしようかと、このところ数ヶ月悩んで悩んでいます。
当初は、算数や数学やプログラミングを使った何らかの課題を出して、優秀な人に賞金(図書カードとかiTuneカードとか)をあげようと考えていたのですが、課題の設定が難しくて、悩んでます。
数学やプログラミングを使ってデータ分析してもらおうと考えていたのですが、高度な知識がないとやりにくくて、応募できる人が限られてしまいます。
そこで、何か別の良い課題がないかと探し迷っていました。
そんな折、3日前に、ふとしたことで、H先生がとてもいいヒントをくれたので、何とか決まりそうです。
当初の予定通り3月に、課題を公表できそうで、良かった良かった。
そんなわけで、最近データや統計の本ばかり読んでいました。統計資料の本や、Pythonを使ったデータ分析の本などで、ここで紹介するにはちょっとつまらないかな、というものばかりです。
だがしかし!!!
面白い本がありました。
伊藤智章氏の
と、データブック入門編集委員会編の
です。
地理の勉強とかつまらないなぁ、覚えることばかりでいやだなぁと思っている人、この本は、「へぇ~へぇ~へぇ~、そうだったんだ、へぇ~へぇ~へぇ~」と興味深く読み進めることができます。
私が最も驚いたのは、アルゼンチンの状況です。
伊藤氏の本に書かれていたのですが、「アルゼンチンの大豆収穫量は年5339万トン(2016年)で、日本の230倍の規模」になるそうです。
アルゼンチンが大豆の世界的な大産地なのですが、栽培が盛んになったのは第二次世界大戦後のことで、とくに生産量が増えたのは、1990年代から遺伝子組み換え大豆を栽培するようになったことが要因だそうです。アルゼンチンの大豆はほぼ100%が遺伝子組み換えだそうです。
ところで、大豆の生産量はどうなっているのかと思い『2020データブック オブ・ザ・ワールド 世界各国要覧と最新統計」(二宮書店)で調べてみたところ、2017年ではアメリカが1位で全世界の33.9%、ブラジルが2位で32.5%、アルゼンチンが3位で15.6%を占めているそうです。
ちなみに、ブラジルの大豆もほぼ100%が遺伝子組み換えです(※アメリカについてはわかりませんでした。知っている人がいたら、教えてください)。
遺伝子組み換え作物というと、イメージだけで、何か体に良くなさそうというイメージが先行していますが、実は自然界において遺伝子組み換えは起こるものだし、現時点で遺伝子組み換え作物が身体に有害な影響を与えた例は聞いたことがないので、食べ物としては現時点では何ら問題はないと、私は考えています。
問題なのは、遺伝子組み換え作物を作っている育種会社と、それを使っている農民たちの支配構造にあるのです。遺伝子組み換え作物を育成する場合には、ほとんどの場合、育種会社から特定の除草剤を毎年大量に購入して散布しなければならない、とか、毎年種を購入しなければいけない(※収穫して取れた種をまいても育たない)などの問題があります。育種会社は毎年儲かり続ける仕組みです。
上述のことは前から知ってはいたのですが、伊藤氏の本にあった下記の記述は初めて知り、驚きました。
「アルゼンチン政府は2016年に、基本栄養バスケット(※日本の生活保護にあたる)の受給者が人口の30.3%に達し、870万人が貧困状態にあると発表しました。地方の中小農民の中で貧困に陥る人が増えています。除草剤の空中散布で健康を害して土地を離れざるを得なくなった人々は、農薬会社や政府を相手取った訴訟を起こし、大規模なデモも相次いでいます」
ここで話が変わります。
最近、人工知能が様々な分野で取り入れられています。農業分野もその例にもれず、効率化が進められています。
AIによる効率化が、遺伝子組み換え作物から、元来の非遺伝子組み換え作物への転換を促すことが、将来的に可能になればいいのでは、と思いました。