思考を助ける『ラクガキ』
公立の小学校では、筆算をするときに定規を使わないと、怒られることがあるそうです。中学ではノート提出がある学校もあり、だいたい、きれいな字で、きれいにきちんと書いてあるノートが評価されるようです。
黒板に書かれたことをきちんと丁寧に写して、きれいなノートができると、満足感は得られるかもしれないけれど、頭全然使ってないんですよね。だから、学校のノートのとり方と、自分で考えるときのノートの取り方は、分けてほしいな、って思うんです。
ノートを汚く書けとはいわないけれど、ノートをきれいに書くことに尽力して、全然思考力使ってないというパターンが、特に女子に多く見られます。そんなときには、きれいに書かないで!ということもあります。
また、計算や筆算はテキストにきたなく書き込んで、答えだけをノートにきちんと書く、という行為も、小学生などにたまに見られます。なぜ、問題集に汚く筆算を書くの? それもなぜ問題文や図に重ねて書くの? ノートにきちんと答えだけ書いたって意味ないでしょ? 自分の考えた課程や計算の方が重要でしょ?というのですが、おそらく学校で、答えをきちんと書きなさいと教わっているからなのでしょう。
重要なことは、答えではなく、答えを導く思考過程なのです。
セサミの生徒さんたちには、まずは、筆算には定規を使わないでほしいとたのみます。また、図やグラフは手描きで大きくかいてもらうようにしています。
手で図を描くことで、図をきちんと認識できるし、大きく描くことで、書き込みがしやすくなり、自分で考えやすくなるからです。
手書きで図を描くのは、最初は難しいけれど、だんだん慣れてきます。きちんときれいに描く必要はなく、自分で見やすく考えやすく書き込みやすくすることが重要なのだと考えています。
でも、その論拠は?
自分でやってて、その方が考えやすいからなのですが、それをきちんと説明してくれる本がありました。
サニー・ブラウン著『描きながら考える力』という本です。
副題が『ラクガキのパワーが思考とビジネスを変える!』という副題が付いていて、大人向けの本ですが、子どもにも十分当てはまると思います。
ラクガキといっても、う○ことかをいたずら書きすることではありません、
私はたまに、本を読んで思いついたことがあると、裏表紙などに思いついたことをランダムに書き連ね、関連することを線でつないだりするのですが、これなどは『ラクガキ(doodle)』に相当するのかもしれません。
この本では、『いたずら書きscribble』と『スケッチsketch』と『絵drawing』と『ラクガキdoodle』を区別して説明しています。
・いたずら書き(scribble):紙からほとんどペンを放さず無作為に描かれた、わけのわからない線。目と手の発達時期にある子どもがよく描く。
・スケッチ(sketch):素早く、粗く描かれた絵。
・絵(drawing):概してわかりやすく、物や形を視覚的に表現したもの。
・ラクガキ(doodle):思考を助けるためい、自由に描く目印
そして、ラクガキの恩恵として、以下のような例が挙げられています(※会社などの組織における効用は、ここでは関係ないので、省略してあります)
◇POWER:パワー・認識
・心の拡張・理解
・情報の保持・呼び起こし
・情報の理解
・洞察を深める
・創造力の向上
◇PLEASURE:プレジャー(楽しみ)
・集中
・リラックス
・可能性
学校のノートに『ラクガキ』を描いたら怒られる可能性があるので、学校以外のノートには、是非、図やグラフや線分図などを大きく描き、考えたことを書き込んでいって、情報の理解・洞察力や創造力を高め、集中力を身に付けていきましょう!
また、低学年のうちは、文字の大きさをきちんとそろえてしますが、文字の大きさがある程度そろってきたら、無地のノートに自由に書いていったほうがいいかもしれません。
描きながら考える力 ~The Doodle Revolution~
- 作者:サニー・ブラウン Sunni Brown
- 出版社/メーカー: クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
- 発売日: 2015/01/16
- メディア: 大型本
あと、一応、私の本も宣伝させてください。
Pythonとはプログラミング言語の一つで、人工知能や機械学習・データ分析などによく使われています。世界的にはもっとも学ぶべきプログラミング言語の1位に挙げられています。
ソフトバンクの孫正義氏が『日本来牛尾は『(物体としての』モノを作らないと立派な企業ではない』という思い込みによって情報革命に後ろ向きになり、AI開発競争でも蚊帳の外になった』と言っているように、日本はAI後進国です。それを脱出するためにも、どうか若い人たちに、Pythonを学んでほしいと思います。